JAPAN ミック・カーン

民族楽器のことばっかり書いてるとすぐネタがつきると思われるので今回はベーシストについて。

第一回はイギリスのバンド「JAPAN」のベーシスト、ミック・カーン

JAPANというバンドは後期になるにしたがって音楽性が開花したバンドでした。
デヴィッド・シルヴィアンが作り出す独特の世界観ももちろんですが、サウンドの中核を担っていたのはミック・カーンのフレットレスベースでしょう。


ミック・カーンはキプロスの出身。JAPAN在籍時は髪を真っ赤に染め、眉をそり落とし、ベースを弾くときは高速でカニ歩きをするなどまさに奇怪なベーシストでした。見た目だけでなくサウンドやプレイも超個性的で、ウォルのフレットレスベースを使って誰にも真似できない唯一無二のサウンドを繰り出します。

フレットレスベースといえばジャコ・パストリアスなどフュージョン系のミュージシャンを想起する人も多いと思いますが、個人的にはミック以上にフレットレスを巧く使ってる人はいないと思います。

JAPANのファイナルツアーより、

ちなみにこのときのギタリストは一風堂土屋昌巳


名盤「ブリキの太鼓」より。この曲を初めて聴いたときはまさに衝撃を受けました。完全に楽曲の中心にベースがいますね。

ミックはベースや理論に対しての知識が本当に0で、もう1フレット分下げてくれ、と言われたときに物理的に(つまりヘッド側でなくボディ側に)手を動かしたという逸話があるくらい。でも逆にそれが個性を形成しているのではないかと思います。

フレットレスベースを「エレキベースの一形態」ではなく完全に「フレットレスベースという楽器」として理解している人なんでしょう。

JAPAN解散後はソロアルバムを多数リリース。
日本人ミュージシャンとの競演も多く、土屋昌巳はもちろんSUGIZOなんかのバックでもやったりしていますね。

そんなミック・カーンですが、現在癌との闘病中とのこと。
多くのミュージシャンがミックへのコメントや支援をしており、彼の人望の高さをうかがわせます。

元気になって、もう一度ミック印のフレーズを聴かせてもらえることを祈っています。