ディジュボックス・オベリスク 小さくてもスゴイやつ!

こんばんは、久々にスタジオでディジュ吹いてきました。
ディジュリドゥの面白さの再確認。もっと吹く機会ふやさないとな。

さて、今日はディジュボックス・オベリスクのレビューをしようと思います。

べん。イダキの右にうつってるのがオベリスク
大きさはポケットディジュボックスと比較してもらえればわかると思いますが、それなりの大きさ。でもイダキの3分の1くらいしかありません。

私が買ったのはドローンがBのもの。なかなかの重低音、大きさもある程度あるのでポケットよりも音に深みがある感じがしますね。

特徴1.吹き口

写真を見てもらえればわかるように、吹き口のあたりが完全に丸くなっています。これはなんでもないように見えて意外と重要。ポケットに比べるとフィット感が違います。
ちなみにボトムはこんな感じ。完全にふさがってるポケットと違い少し空間が確保してありますね。音量稼ぎに一役かっているのかも?


特徴2.吹き心地
まずドローンがBという低い音だからか、バックプレッシャーが少し弱い感じです。ちょっと吹いてポンポン音の出しやすいポケットに比べると、初心者にはいい音を出すのが難しいかも。私も感覚をつかむのにちょっとかかりました。
唇を割とルーズな感じでリラックスさせるといい音が出るかなといった感じ。
ホーンは意外と出しやすいですね。私はポケットだとまともに出せません・・・


そしてもう一つ特筆すべき点が。それは重量!
ポケットに比べてかなり大きく見えますが、なんと重さはほぼ同じ!
吹いていて重さのストレスは0なので、動きのある演奏もらっくらく。実際PVCのより軽いんじゃないのって感じです。
といってもサウンドは軽くないですよ!


音量が結構あるので、セッションなどでも使いやすいと思います。
他の楽器をやりながらというのもやりやすそう。これはディジュボックスに共通した特徴ですね。やっぱりコンテンポラリープレイヤー向けだと思います。


ディジュボックスシリーズはこちらのサイトから購入できます!
http://www.didjbox.com/
いろいろなシリーズや、手ごろな値段のプラスチック製ディジュボックス、
音程の変えられるディジュフルートなとの変り種も。
ペイパルが使えるので難しい英語もいらないところがいいですね。向こうからの確認メールと、あと10日くらいで着きます的なメールくらいで買い物できました。

国内では、ディンカム・ジャパンさんがディジュボックス・ポケットを扱っています。
実際にお店に行って吹いてみることができるので興味のある方は是非いってみてください。イダキ・ギャラリーは圧倒されますよ!!


というわけで、オベリスクのレビューでした。ポケットにポンとはいけませんが、他の楽器のケースに忍ばせたり。何か小さい袋でも持っていけるかも。軽いですしね!オススメです!

Gjallarhorn ― そのしらべは大地の叫び

今日紹介するのは超個性的なトラッドバンド、Gjallarhorn。(ヤァラルホーン)
フィンランドスウェーデンあたりの音楽を源流にもつバンドです。

編成が非常に面白いバンドです。
透明感のある女性ヴォーカル(たまに超音波みたいな声出す)、フィドルヴィオラといった弦楽器、パーカッションが一人、そしてなんと、ディジュリドゥ(!)・口琴(!!)・ビリンバウなど倍音系の楽器を操るトミー・マンシッカ・アホというスーパープレイヤーが在籍していた一筋縄ではいかないバンド。
このヘンテコな編成で北欧トラッドをガッツリ演奏します。

北欧音楽とディジュリドゥ?と思うかもしれませんが、このトミー・マンシッカ・アホのディジュリドゥこそがGjallarhornに力強さを与える原動力です。

1stアルバムより、中盤、トミーのディジュリドゥが入って一気にパワフルに、よりプリミティブな雰囲気が増したのがわかると思います。私はこの曲を初めて聴いたときズガンとやられました。ディジュリドゥの新たなかっこよさを見つけたというか。

文字で見るだけだと北欧トラッドとディジュリドゥは結びつきにくいと思いますが、音を聞いてみると不思議なほどしっくりくる。ディジュリドゥの「リズム楽器」としての側面を垣間見ることができる気がします。


北欧に良く見られる踊るようなリズムにもしっかりと対応。かなり主張の強いサウンドではありますが、バンドから浮いてないところが特筆すべき点でしょう。
他の楽器から埋もれがち/浮きがちなディジュリドゥを「バンドの中の一つの音として」活用している稀有な例ではないでしょうか。


しかし残念ながら2004年にトミーは脱退。
その低音部を担うのはヨーラン・モンソンというコントラバス・ブロック・フルートをエクストリームに吹きこなすプレイヤー。
更なる個性をバンドに持ち込みました。まるでマシンガンのように吹いたり、一聴して吹奏楽器とは思えないようなプレイを連発。ドローン要素も受け持ちますが、音階が出るようになり新たな展開も。
4thのリムファクセからはオーケストラも導入したりしています。新たな魅力が増えましたが、独特の野性味というかまさにギャラルホルンのような力強さは失われてしまったかも。

北欧音楽に興味のある人だけでなく、ディジュリドゥプレイヤーにも是非聴いてもらいたいバンド。新たな可能性が見えてくるんじゃないでしょうか。

おもしろ口琴レビュー!

今回はいくつかとてもおもしろい口琴を手に入れたのでそのレビューでも。

左から
ラジャスタン 2弁モルチャン
ベトナム製 アクリル口琴
ゾルタン口琴 ラパット

です。見た目からしてヘンテコなのが揃いました。

まずモルチャンから。
なんと弁が2枚並んでいます。この口琴はキーの違う二枚が並んでいますが、ユニゾンやセンターに枠があるものなどいろいろあるみたい。

弾き心地はお世辞にも弾きやすいとはいえませんね。弁は硬いし、長さが違うから弾きにくいしなんかもちにくいし、初心者にはまったくオススメできません!
でも2枚同時に弾くと独特のバイブレーションが生まれ、非常に深みのある超重低音を奏でることが出来ます。弾いてると口腔内がヘヴィな感覚になります!ヘヴィすぎて歯ががくがくします。

ゾルタン口琴の「アポカリプト」や「デイジーカッター」とは全く違うベクトルのエクストリーム口琴ですね。


次にアクリル製。
おもちゃのような見た目ですがなかなかどうしてイカしたやつ。
まず軽い。非常に軽いので全くストレスがありません。形的にアーロン・シラギー型のオルタネイト弾きはやり難いのでこちら側に引く形の弾き方が良いと思います。
アクリルという材質の特徴か超高音は出にくい感じもしますが、なかなか伸びのあるサウンドは悪くないですね。
そしてラフにプレイしても弁がフレームに当たりません。その割りに音量も結構あるので初心者にもオススメできます!(鉄臭くないっていうのは女性にもいいかもNE)
めっちゃいい!!ほんといい!っていう感じじゃありませんが、つい手にとって弾いてしまう、不思議な魅力があります。

最後はゾルタン・ラパット。
ゾルタン口琴は歯に当てて演奏するのが標準ですが、これは唇にあてて演奏するタイプ。弁はかなり柔らかく、尖ってない音が心地よい。重低音の伸びを楽しみましょう。
一番のポイントは歯に負担がかからないこと!これは大きい!疲れが半減します。
息使いへのレスポンスもいいので、やり方次第では細かいリズムもいけるでしょう。
ちょっと変わった口琴をお探しのアナタへオススメ。


弾き比べてみました。
モルチャンはヘッドフォンじゃないと聞きづらいかも。

口琴ってほんと面白いですね。世界各国にあって、どの国でも形が違うし、新しい口琴もどんどん作られている。
同じものが2つないのも非常に面白いところですね。
当ブログでは面白い口琴を募集中。世界の口琴でレアもの・エクストリームなものがあったら教えてください!

Pocket Didjbox ポケットディジュボックス−いつでもどこでもディジュリドゥ

今日は都会派ディジュプレイヤーに衝撃を与えるであろう画期的なアイテム、ポケット・ディジュボックスの紹介さ!

ディジュリドゥって重いし大きいし冬は割れやすいし・・・保管や吹く場所探しも大変でまいっちゃうわぁー

そんな方も多いでしょう。でもこれで安心!

これがポケット・ディジュボックス。見た目はもはやお弁当箱!でもサウンドはしっかりとしたディジュリドゥサウンド!!
真っ二つにして中を見てみたかったけど流石にやめた。指をつっこんだかんじでは、中で通路のように折れ曲がって長さを稼いでいる模様。経験上折れ曲がるほどキーが低くなる感じがするので、この大きさでもしっかりとしたディジュサウンドが作れるのでしょう。

その小ささを比較してみました。

グラハムもびっくりの小ささやでしかし!!
そして軽い!!なんと約500g!!
取り回しがグンバツです。

作りも悪くない。吹き口はしっかりと処理されていてすごくフィットするし、かなり頑丈そう。多少のラフな扱いにはがっちり耐えてくれそうです。

こんなに小さいと本当にいつでもどこでもふけちゃいそう。音の出口が近いので出音もわかりやすいし、練習に使うにはもってこいでしょう!鞄にポン!外でボン!!

これはミュージシャンにもオススメですね。ギター・ベースケースにすっぽり入るだろうし、マイキングもしやすいと思います。バンドの中にディジュリドゥを取り入れたりがかなりやりやすくなるかも。楽器を持ち替える必要がないですからね!

しっかりしているといってもイダキ・サウンドは望むべくもありません。
が、これを吹いてイダキみたいな音が出るほうがおかしいのです(哲Jさんのプレイを聴くとすべては実力次第だなぁと思いますが。)
こういう新しいスタイルの楽器は無理してトラディショナルなことをやるより、コンテンポラリーに使ったほうが実力を発揮できるんじゃないかな。

もちろんこれを使ってトラッドができない、なんてことは無いと思います!あくまで個人的意見としてはコンテンポラリー向けかなーって程度で。


とまぁいろいろ書いてきましたが、都会に住んでるプレイヤーには本当にいいアイテムだと思う。
練習用にもっておくのもよし。新しいウェポンとして音楽活動にガンガン使っていくのもよし。夢が広がる!


さらに詳しいことが知りたい方はディンカム・ジャパンのサイトをご覧ください。
哲Jさんが実際にプレイしている動画も見ることが出来ます!
なんだこの宣伝!
一家に一台オススメです!

Dream Theater ジョン・マイアング

今日は寒いですね。雪って名古屋にも降るんですね。

私が最も影響を受けたベーシストの一人、Dream Theaterのジョン・マイアング氏の紹介です。

John Myung。韓国系のアメリカ人。背中まである真っ黒な長髪、アジア系の顔立ち、物静かで寡黙な人柄とおおよそメタルをやる人物には見えませんが、そんなキャラクターに反してベースプレイはかなりアグレッシヴ。


6弦ベースをパワフルにピッキングし、かなり左手をパタパタと動かすので凄く忙しそうに見えます。(実際6弦の低音弦を弾くとどうしてもパタパタしますが)
6弦の音域を上から下までフルに活かし、時にヘヴィなリフ、時に超難度のユニゾン、Hi−Cやハーモニクスを巧く使ったコードプレイなど、非常に器用なプレイヤーといえます。

超絶技巧集団Dream Theaterの中にあって、必要以上に技術に走らないのも特長。分厚い音、変拍子の嵐を縫って、ハッとするようなフィルインを入れてきます。

彼が真価を発揮するのはソロやユニゾンのウラでしょう。ユニゾン前のフレーズはハイライトですね。こんな単純なのにカッコイイ!
技術偏重になりがちなプログレメタル勢の中では、決してトゥーマッチなプレイはしない稀有なベーシストだと思います。

といっても若いころ(1stあたりまで)はこれでもかと弾きまくっており、ビリー・シーンやゲディ・リーといった彼のルーツが垣間見れます。

Dream Theaterの面々はそれぞれソロ活動も多いですが、マイアングはソロアルバムがありません。様々なプログレメタル勢とのセッションはもちろんですが、サイドプロジェクトの中で一番長いのが「Jelly Jam」というバンドです。

これはKing's Xのギタリスト、タイ・テイバーと結成したバンドで、Popな中にもプログレっぽさを持った良質のバンド。
技巧系ではないですが、センスの良いプレイが随所で光ります。

とまぁ非常に凄いベーシストなんですが、最近はどうもその良さが出ていないというか、Dream theater自体がマイク・ポートノイとジョーダン・ルーデスの色が濃くなってしまったというか、複雑なプレイに走り気味というか・・・

ドラマーのマイク・ポートノイがDream Theater脱退という衝撃的なニュースが音楽界を駆け抜けましたが、正直期待せずにはいられません。
サマソニのライブを見ても、マイアングのプレイングに昔のようなアグレッシヴさが戻ってきているような気もします。
音楽的パワーバランスが改善され、名盤Images and Wordsに並ぶようなアルバムができあがるかもしれない。

彼のハイセンスなプレイが再び聴けることを期待しましょう。

ゾルタン口琴 弾き比べレビュー(2)

暇だったので今日もレビューしちゃおうと思います。
今回は少し癖のある変り種口琴がメインです。

上から
ロココ
クワイヤー
トーテム

まず上から。
ロココです。フレームがねじれてロココ調だからロココなんでしょうか。
ねじれたフレームのせいか、少し高音に癖のある感じですが、スタンダード寄りなサウンドだと思います。
弾き心地の面では、柔らかめの弁、細めのフレーム。大きさは割とあるのでゆったり弾くのがいいんじゃないでしょうか。

次はクワイヤー。
これは非常に面白い口琴で、フレームに入った溝により倍音がコーラスします。

こんな感じ。
息を使ったプレイをする際非常に独特の演奏感があります。引っかかるというか・・・そういった面ではタフですね。
速弾きにはあまり向いていない印象ですね。マイクを通すと面白いサウンドになるので、一本持っておいて損はないでしょう。生音は少し小さめかな?

トーテム。
重低音系に属する口琴ですね。
路線的には、ゴーレムなどと同じかな?太いフレーム、硬すぎず柔らかすぎずな弁、タフな口琴です。
サウンド的には重苦しすぎず、うるさすぎず。深みのある倍音です。
割と小回りが利くので、どっしりした演奏から速めのプレイまで対応できる、オールラウンダーの低音系です。

こんな感じ。音量に差がありますが口琴の特徴を知ってもらうためなので、音量調整はしてません。録音環境は同じです。
比較なら同じフレーズ弾けって感じですが、口琴毎に特徴ありすぎてうまくいかないのであきらめました。腕が足りてません。

こういった一味違った口琴が多いのもゾルタンの魅力。まだまだ変なのがたくさんありますよ!!

次回はロシア口琴のレビューでもしてみようと思います。

ゾルタン口琴 弾き比べレビュー(1)

不定期連載口琴レビュー。今回は以下の3種類のレビューをしようと思う。
上から
ブラックファイヤー
ブラックファイヤー(ベース)
ゴーレム

です。
まずブラックファイヤーから。
まず最初に驚くのは音量の大きさ。一般的な楽器店などで売っている安い口琴と比べると非常に大きく、パワフルな音です。
弁の硬さ、大きさ、重量それぞれバランスがよく、弾きやすい。愛用者が多いのも頷けます。
音の特長としては、ヘヴィすぎず軽すぎず。どちらかといえば重い方寄りな気もしますが(キー次第か?)、他の楽器と合わせるときも合わせやすいでしょう。シャープな音なので抜けもよさそうです。
弾きやすいといっても、ゾルタンの口琴はフレームと弁の間が凄まじく狭いので、初心者には難しいかも。バッキング・速弾きなんでもござれのオールラウンダーですね。

次はブラックファイヤーのベース版。非常に低いキーです。
弁に重りが巻きつけてあり、これで音を低くしているようです。
弁が大きくゆっくりと振動するので、演奏は非常に難しいです。速弾きにもあまりむいていません。
振動が大きいので、自分の頭も大きく揺れます。喉にも深い音が響いてきて非常に弾いてて気持ちいい。外に向けて演奏するというよりは自分で楽しむ、ゾルタン口琴でいう「インナーピース」や「チベット」といった機種に近いかもしれません。

最後にゴーレム。
なんといってもでかい。ブラックファイヤーの2倍くらい?(そんなにないか)
重く、フレームも太く、弁も硬め。非常にタフな口琴です。
その無骨で鈍重そうな見た目に反して、プレイアビリティは非常に高い。
ラフな演奏にも対応できるので、意外なほど速弾きもしやすい。
音は見た目とおりの重低音、ブラックファイヤーのようなシャープさ、煌びやかさはないですが独特の倍音がうねります。
これはオススメのゾルタンですね。名前かっこいいし。ゴーレムて。


3種類弾き比べてみました。
クオリティはアレですが、各口琴の個性が少しでもわかっていただけたら幸い。

形や名前も個性的、音もそれぞれぜんぜん違う。コレクション性も高い口琴だと思います。収集癖がある私にとってはもうドンズバな口琴

まさにシンプルだけど奥が深い。そんな楽器です。