Kingston Wall サイケデリック・プログレハードの巨人

今日紹介するのはヘルシンキのトリオバンド、Kingston Wall。
そのサウンドは独特で、90年代に現れ彗星のように消えていったバンドです。

Petri Walli 、 Jukka Jylli 、 Sami Kuoppama"ki の三人で結成されたプログレハード・バンド。
その音楽性はRushとLed Zeppelinの融合とも言われます。
非常にスペーシーなギター、縦横無尽に這い回るベース、手数が覆いながらもヘヴィなドラム。そこにアラビア風のメロディを乗せたりする非常に面白いバンドです。

1stアルバム「Kingston Wall」はハードな曲が多いながらも、ジミ・ヘンドリックスの「Fire」のカバーや、アルバム後半を埋め尽くす組曲など、その後の音楽の一端を垣間見ることができます。

2ndアルバム「Kingston Wall Ⅱ」より

うーん、ミステリアスな曲ですね、しびれるゥ!
この曲のほかにもアコースティックギターが印象的なIstwan、デヴィッド・ギルモアの影響も思わせるShine on me など聴き所のある曲が満載。

彼らがサイケと言われる最大の理由は3rdアルバムにあるでしょう。
最後のアルバムとなった「Tri-logy」。これは90年代HRの中でも屈指の傑作でしょう!

CD一枚が全て一続きになっている大作志向のアルバムですが、一曲一曲はコンパクトで聴きやすいものばかり。
元々高い演奏技術に磨きがかかり、かなり独特の世界観、いや一つの宇宙を形成。
最初から最後まで淀むことなくバンドのエネルギーがうねり、聴くものを圧倒します。

この曲では恐らく口琴ディジュリドゥ・ウドゥ的なパーカッションを使用していると思われます。ドロドロとした音の流れを越えて、ギターが入ってきた瞬間の解放感!!

アルバムの前半からこれなんだから飛ばしすぎです。ディープな世界に引き込まれます・・・

こうしてアルバム毎に進化を遂げながら突き進んだKingston Wallですが、
Petri Walliが突然亡くなり(恐らく自殺。教会から飛び降りたとか?)その活動を終えます。

たった3枚でいなくなってしまったバンドですが、この独創的なバンドが今も続いていたらと思わずにはいられません。間違いなく、シーンに多大な影響を与えていたのではないでしょうか。

トリップしたいならクスリはいりません。Kingston Wallを聴けばいいのです!!